1 死者の木霊作品NO.1 死者の木霊 感想 内田氏のデビユー作です。 昭和55年12月の発刊ですが、著者の言によれば、友人から借りたミステリーにケチばかり付けていたところ、偉そうに言っても自分じゃ書けないくせにという反論を受け、ジャア書いてやるわ・・・・、で1年がかりで書いた作品だそうで自主出版しました。 流石に初作品で特にプロローグは読者受けを意識してかエロチックシーンから入っているのは今のセンセにはとても考えられそうもないですね。 本格推理小説を狙っているので、なかなかドラマチックなストーリー運びになっています。 長野県飯田市郊外の松川ダムでバラバラ死体が発見された。 松川ダム 事件は犯人と目される被害者の甥夫婦の「心中死」により、解決したと思われたが……。 事件の背後に不自然なものを感じた飯田署巡査部長・竹村は執念の捜査を始めるわけですが、事件の結末は会社の社長秘書と不倫している専務がそれを知って脅迫した人物を殺し続けて・・・という、犯人の動機発見とアリバイ崩しの推理小説になっています。 アリバイ作りに利用された寝台特急日本海 アリバイ崩しの方法が靴の裏の泥の成分というまあ良くある方法をつかってますが、2件とも同じパターンでと言うのはチョット不自然ではありますが・・・まあ処女作で許しちゃおう。 途中で不倫の女性が飛び降り自殺をすることで竹村刑事は謹慎処分を受けたりしながらも信濃飯田署の竹村岩男・室町署の岡部和雄の手腕と推理で犯人逮捕にこぎ着けるというお話です。後には信濃のコロンボして知られることになります。 今のセンセなら当然のヒロインに指名しそうな社長秘書女性を不倫や自殺には追い込まないと思いますが・・・・。 初版にもかかわらず信州飯田市、戸隠、伊勢志摩と移動、風物描写もしっかり出来ているのは将来の旅情ミステリーへのステップとなったようです。 探偵 竹村岩男(飯田署の刑事) 岡部和雄(室町署の刑事) 被害者 野本孝平(57歳 総会屋) 野本敏夫(43歳 孝平の甥) 野本美津子(敏夫のの妻) 根岸三郎(ホテルのフロント) 犯人 沢藤栄造(49歳 五代通商専務) 共犯 浜野理恵(27歳 社長秘書 自殺) 奥村哲夫(45歳 ホテル支配人) 終結 犯人逮捕 ジャンル別一覧
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